低温性細菌由来アルカリフォスファターゼ
Alkaline Phosphatase from psychrophilic bacterium
DNAを脱リン酸化後、容易に熱失活でき、速やかにライゲーション反応できます。
BAPとCIAPの長所を併せ持つ、低温性細菌由来アルカリフォスファターゼです。
低温細菌由来なのでSAPやCIAPと同様に、使用後に容易に熱失活性できるため、速やかにライゲーション反応に移れます。
一方、BAPはフェノール処理でも容易には失活しません。
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60℃では37℃の約4倍の活性を示すのでBAPと同様、DNAの末端構造(平滑末端や3’突出末端)にかかわらず60℃、30分間の処理によりDNA末端を脱リン酸化できます。
(一方、CIAPやSAPは60℃では急激に失活性してしまいます。)
ダイナザイム
商品
コード
商品名
※1
価格
製品
マニュ
アル
MSDS
※2
DE110
Alkaline Phosphatase (PAP)
from Shewanella.sp.
15,000円
※1
最新の価格及び現在の在庫の確認はリンク先のフナコシ株式会社をご参照ください
※2
MSDS該当商品はMSDSがダウンロードできます。
PAPの利点
PAPは容易に熱失活できるが、BAPはフェノールでも容易には失活しない。
図に示されているように、BAP処理した場合は、得られる白色コロニー数が、PAPに比べ少なくなっている。これは脱リン酸化後の失活操作にもかかわらず活性を有するBAPが残存してしまい、インサートDNA側からもリン酸基を奪い取ってしまうためである。PAPは熱処理でもフェノール処理でも容易に完全に失活できるが、BAPはフェノール処理でも容易には失活せず、クローニング効率にまで影響を及ぼすことがある。BAPを用いる際は、残存するBAPを考慮して、ライゲーション反応時により多くのインサートDNA を加えるか、失活操作時に2回以上のフェノール処理を行わなくてはならない。
実験方法;
Eco
RI消化した1μg のpBluescript SK (+)ベクターを0.5 unitのBAPあるいは5 unitのPAPで脱リン酸化処理を行った。脱リン酸化反応後、反応溶液を以下の処理に躯した。
1.
No-treatment:
脱リン酸化反応溶液を失活処理せずに直接ライゲーション反応に用いた。
2.
Phenol:
脱リン酸化反応溶液に等量のフェノールを加え、30秒間ボルテックスした。エーテル抽出、エタノール沈殿後、沈殿を乾燥させ、滅菌水を加えて再溶解した。この水溶液をライゲーション反応に用いた。
3.
Heat:
脱リン酸化反応溶液を熱失活処理しただけで直接ライゲーション反応に用いた。なおPAPの場合95℃ 5分、BAPの場合は100℃ 5分処理した
これらの失活処理の後、 pBluescript SK (+) ベクターに約1kbのインサートDNAを加えてライゲーション反応を行った。ライゲーション反応後、XL1-Blueにトランスフォームした。図には、プレート上の白色コロニー数が示してある。
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