簡単な操作によって、高い純度で正確な配列を有する長鎖の一本鎖DNA(ssDNA)が取得できます。
長鎖の一本鎖DNA (〜10,000 base)をNicking酵素法によって調製するためのキットです。その工程は、通常のdsDNAを調製する方法とほぼ同じです。まず、添付のプラスミドに目的のDNA断片が2つのNicking酵素サイトの間、あるいはNicking酵素サイトと制限酵素サイトの間に入るように挿入します。次に、そのプラスミドを、Nicking酵素や制限酵素を用いて消化します。消化したプラスミドは、変性させた後、通常のアガロースゲル電気泳動を行います。最後に、先頭のバンドを切り出し抽出、精製するだけで目的のssDNAが得られます(原理及び操作法参照 )。
ssDNAは、種々の目的に使用されて来ましたが、その調製にはPCRや合成DNAオリゴマーの使用、エキソヌクレアーゼ反応、逆転写酵素反応等の工程があることから、内部の変異や末端の欠失を含むものが生じることは避けることができませんでした。また、精製には変性アクリルアミドゲル電気泳動やストレプイトアビジン被覆常磁性ビーズなどが用いられて来ましたが、大量のdsDNAの混入が指摘される場合もありました。
本キットを用いることによって、簡単な操作によって、高い純度で目的の配列を有する長鎖のssDNAを取得することができます。
※ssDNA専用のゲル抽出キットが本キットに含まれます。 特許出願中
本製品使用文献 ssODN-mediated knock-in with CRISPR-Cas for large genomic regions in zygotes Yoshimi K, Kunihiro Y, Kaneko T, Nagahora H, Voigt B, Mashimo T. Nature Communicatons (2016) 7 :10431.